「商売をやめたら人以下」
――親族から投げかけられたこの言葉を胸に、どんな逆境でも踏ん張ってきた。宇治で不動産業を営むイエローハウジングは、2002年の創業以来20年以上、地域に根ざした堅実な経営を続けてきました。“一見さんが半年に一人”。それでも代表が信じ続けたのは「信用を積み上げる」こと。その歩みには、商売人としての胆力と、人としての誠実さがにじみ出ています。
A:学生のころから不動産に強い興味があり、宅建を取得し、不動産の本を読み漁っていました。家業が事業者一家だったこともあり、「自分も商売人として生きる」という思いはずっと心の底にありました。不動産会社に就職して7年間修業したのち、独立のきっかけとなったのは、当時のオーナーの一言。「お前はいつになったら一人前になるんや。サラリーマンのままでええんか?」背中を押されるように27歳で独立。“親父はどこの不動産屋?どこのスポンサーがついてる?”と聞かれ続けたほど、完全なゼロスタートは珍しかったそうです。
A: 開業しても、すぐにお客さんは来ません。半年でやっと1件。広告費に毎月20万円を投じ、チラシ1万枚に対して問い合わせは2件。電話が鳴るのを待つしかない日々が続きました。最初の3年間は“無給”。それでも、親族の言葉を思い出し、踏みとどまったといいます。「商売をやめたら人以下」商売人としての覚悟を支えてくれた言葉でした。
A: 私が大切にしてきたのは「同業者との信頼関係」。不動産業は“横のつながりが命”と言われますが、まさにそのつながりが会社の成長の源になりました。開業当初から、同業者にはこう伝え続けていました。「いい物件があれば、ぜひ声をかけてください」一見さんが極端に少ない地域性の中で、誠実に横のネットワークを築き続けたことが大きな転機となりました。少しずつ、質の良い案件が舞い込むようになっていったのです。その象徴となるのが、2億5000万円で仕入れた土地の案件です。当初は建物を建てて販売するつもりでしたが、ある同業者から「どうしてもその土地を譲ってほしい」と強い相談がありました。代表は、この同業者との関係性を尊重し、建築計画を取り下げて売却することを決断します。結果として3億5000万円で売却でき、ちょうどその直後に京都の景観法が施行され、市場が大きく下落しました。「関係を優先して決断したら、結果的に利益も守られた」この経験は、私の中で大きな確信へと変わりました。• 同業者との信頼が、好案件を運んでくれる。• 誠実に向き合う判断が、巡り巡って自分を助けてくれる。人と人との関係が事業の成長を引き寄せる――イエローハウジングの経営姿勢が形づくられた象徴的なエピソードとなりました。
A: 2008年のリーマンショックは本当に苦しかった。借入金、税金、事務所維持費など、毎月570万円が出ていく状況。「アメリカの不況が日本に影響するはずがない」と判断し、1年半も値下げせず保有し続けてしまった結果、価格は下落の一途。最終的には父から2000万円を借りてなんとか持ちこたえました。「市場をなめたら痛い目を見る」身をもって学んだ教訓です。
A:「どんなときも、真っ先に思い出してもらえる不動産屋でありたい」。そのために、利益の薄い案件でも誠実に取引し、関係性を大切にしてきました。たとえば、1800万円で仕入れ2000万円でしか売れない物件でも、縁を守るためにあえて買うこともあります。商売は“人”。恩返しと助け合いで仕事は回る、と思っています。地域の勉強会やオーナー会にも欠かさず参加し、どんな案件でも「うちでやりますよ」と引き受ける姿勢を貫くことで、閉鎖的な土地・宇治でも着実に信頼を積み重ねてきました。10年前にガレージを借りられなかった持ち主から、後にこう言われたそうです。「長くやってるし、変な不動産屋ちゃうみたいやな。貸したるわ。」信用は“時間で買う”もの――それを象徴する出来事でした。
A:ロゴはユニクロのアルファベット配置、蔦屋の配色を参考にしました。どちらも勢いのある企業で、「真似るなら一流から」という想いがあったとのこと。社名の「イエロー」は好きな色であること、そして風水的にも縁起が良いと聞いたことがあったためです。
A:20年後も「また相談したい」と思ってもらえる会社でありたい。目先の利益ではなく、長く地域に信頼される不動産屋として歩み続けることが目標です。
A:若松先生とは前の事務所時代からの付き合いです。他の弁護士にも相談したことはありますが、最も“方針が立つ”人でした。感情を受け止めたうえで論理的に整理してくれる――それが何よりありがたい。たとえば私が「腹立つ」と言うと、「確かに腹立ちましたね」と共感しつつ整理してくれる。その“血の通った会話”が心強いんです。これから顧問弁護士を探す経営者がいれば、若松先生をぜひおすすめしたいですね。
イエローハウジング様とは長年のお付き合いになりますが、松原さんは「不動産屋さん」という言葉から一般に想像されがちなイメージとは、良い意味でまったく異なる方です。
私が特に信頼している点は大きく三つあります。
一つ目は、非常にクレバーであることです。不動産取引においては、価格や条件だけでなく、法的リスク・将来のトラブル可能性・当事者それぞれの立場を立体的に捉える必要がありますが、松原さんはその整理が驚くほど早く、的確です。
二つ目は、「必ずやるべきことをやる」仕事ぶりです。地味で手間のかかる調整や確認、他社であれば後回しにされがちな部分も、松原さんは決して曖昧にしません。その姿勢が、結果として大きなトラブルを未然に防いでこられているのを見てきております。
そして三つ目が、人情とのバランス感覚です。単なる数字や効率だけで判断せず、柔軟に依頼者にとっての利益を考えて提案される。これは簡単なようで、実は非常に難しいことです。
法律と同様に、不動産も一度判断を誤ると取り返しのつかない結果になりかねません。だからこそ私は、大切な相談者の不動産について、安心して松原さんをご紹介しています。
今後も、誠実に、そして長く信頼される不動産会社として歩まれていくことを、一人の専門家として心から期待しています。
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